2019年6月9日、美弥るりかさんが宝塚歌劇団を卒業しました。
このことについては自分の中でいまだに気持ちの整理ができておらず、
本来「おめでとうございます」と言うべきところなのかもしれませんが、
そういう気持ちじゃないなぁというのが本音です。
月組『夢現無双/クルンテープ天使の都』千秋楽
この作品で卒業というのもかなり厳しかったです。
「もう一度見たい」と思えず、1回だけの観劇となりました。
これはわたしの好みなので、面白かったという人もいるでしょう。
『NOBUNAGA』もピンとこなかったので、日本物が苦手なだけかもしれません。
珠城りょうさん美園さくらさん新コンビお披露目公演だったわけですが、
美弥るりかさんの退団公演というイメージが強すぎて、
さらに月城かなとさんの休演もあり、
祝福モードになれなかったのもつらかったです。
美弥るりかさんの思い出
と、わたしがグチグチ言ったところで美弥るりかさんは退団しますし、
ご本人にとってはネガティブなことばかりではないと思います。
今後も新しい世界で活躍してくれることでしょう。
わたしが美弥るりかさんの舞台をはじめて見たのは2012年『ロミオとジュリエット』。
星組にいたときから美弥るりかさんの存在はもちろん知っていましたが、
マーキューシオを見て「こういう演技をする人だったのか」と知りました。
その後、子どもが生まれてしばらく劇場に行けなかったのですが、
2015年、久しぶりに見た『1789』のアルトワ伯に心をつかまれました。
さらに好きになったのが『グランドホテル』と『カルーセル輪舞曲』。
たまきちトップ、みやるり二番手という新体制にワクワクしたものでした。
『All for One』も『カンパニー/BADDY』も『エリザベート』も、
美弥るりかさんがいたからこそ、と思えるシーンがたくさんありました。
歌もどんどん上手くなっていったように思います。
『夢現無双』の小次郎のビジュアルは文句なく、
こんなに美しい人を肉眼で見られたことに感謝の気持ちが湧いてきました。
美弥るりかさんお疲れ様でした
久しぶりにスカイステージで『グランドホテル/カルーセル輪舞曲』を見ました。
わたしはいずれ美弥るりかさんがトップスターになれると信じていたので、
今になって振り返ると、当時は素晴らしいと思っていた公演でも切なく感じられます。
それでもやっぱり『グランドホテル』は引き込まれる名作ですし、
『カルーセル輪舞曲』のテキーラのシーンは素晴らしかったです。
改めて見て思ったのは、『グランドホテル』はわりと官能的な作品なのに、
美弥るりかさんの官能性を一切封印したところがすごいな、ということでした。
あと、わたしは美弥るりかさんの布の動きがすごいと思っていて、
衣装のちょっとした動きに他の人とは違う芸術性を感じていました。
カルーセル輪舞曲のテキーラのシーン、赤いひらひらが舞う様子が見事です。
歌劇2019年6月号の送る言葉で、
生田先生が「美弥さんは歩くだけで役柄を表現できる」というようなことを書いていて、
まさにそういうことだと深く共感しました。
美弥るりかさんがトップになったら生田先生に新作を書いてほしいな~とか、
娘が小学生になったら一緒に見に行けるかな~などと思っていたので、
その可能性が消えてしまったことをとても寂しく感じます。
とはいえ、これまで美弥るりかさんの舞台を生で見られたことは幸せでした。
美弥るりかさん、ありがとうございました。
お知らせ
わたしの小説家デビュー作『成瀬は天下を取りにいく』が新潮社から3/17に発売されます!滋賀県大津市が舞台の作品で、西武大津店やミシガンが登場します。
読んでいただけるとうれしいです。