「体感3分」というのは後ろの席の人たちが言っていました。
1回目観たときには「なにを見せられているんだろう…」という55分でしたが、
2回目はたしかにあっという間に終わってしまった気がします。
幕が降りた後の客席のざわめきも含めて『BADDY』という感じです。
バッディとゆってぃ
『BADDY』をはじめて観たときに、ゆってぃのことを思い出しました。
ゆってぃを知らない人も多いかもしれません。
「ワカチコ ワカチコ」というネタでちょっと売れた芸人さんです。
わたしは人力舎のお笑いライブが好きで、
かつて全国を回っていた「バカ爆走!」の静岡公演を毎年観に行っていました。
いつだったか、まだテレビに出る前のゆってぃが若手のコーナーに出てきて、
その奇抜な芸風に客席がどよめいたのです。
『BADDY』も、客席が「いつもと違う!」と動揺している様子がうかがえます。
客席が一体になるライブ感は、劇場に行かないと味わえません。
『BADDY』についても、劇場で観られてよかったなと思っています。
としちゃんの活躍
特筆したいのは今回で退団するとしちゃんのクール(バッドボーイ)役。
最初観たときに見逃していたのですが、
わかばちゃん王女との関係がちゃんとストーリーになっているんですね。
ふたりのシーンがあるのは気付いていたものの、
最後に魂として結ばれているとは知りませんでした。
ここ数年の月組はとしちゃんとわかばちゃんなしには成立しませんでした。
まさちゃぴが表紙の月組本でもふたりがツーショットで載っています。
一緒に退団することになったふたりにとって、今回の配役は最高の花道でしょう。
デュエットダンスではとしちゃんのカゲソロが聞けます。
わたしが行ったときには音響のせいなのか、
キンキンしてしまっていてもったいなかったです。
すごく力のこもった熱唱で、心打たれました。
男役群舞でも、ありちゃんが入りそうな場所に、
としちゃんとゆりちゃんが出てくるシーンがあって感激しました。
としゆりコンビもしっかり堪能することができます。
惑星予算とヘリコプター
ビッグシアターバンクの舞踏会のシーンは見たいところが多すぎます。
スイートハートの女装を拝み倒したい気持ちはやまやまですが、
ほかの人たちの動きも見逃せません。
スイートハートのセクシーすぎる衣装に対して、
ポッキーの衣装は今くるよ氏のようで、
ほかになかったのだろうかと思ってしまいます。
ヘリコプターの映像ではこち亀を思い出しました。
両津が大量の現金をヘリコプターで運ぼうとしたら、
現金の重さに耐えきれずコンテナが開いてしまい、
空から札束がばらまかれるというオチです。
バッディーズは複数台のヘリコプターに分けていたので、
リスク回避ができていると思いました。
ときどき公演期間の途中で鬘やメイクを変える人もいますが、
あの映像があるとイメチェンできないな、なんて余計なことも思いました。
お知らせ
わたしの小説家デビュー作『成瀬は天下を取りにいく』が新潮社から3/17に発売されます!滋賀県大津市が舞台の作品で、西武大津店やミシガンが登場します。
読んでいただけるとうれしいです。