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flower『ポーの一族』のプログラムがすごく面白かったです。
小池先生の力の入りようがよくわかります。
デザインも凝っていて、写真集のような1冊ですね。
これでいつもと同じ1,000円とはお得だな~と思ってしまいました。

豪華なプログラム

大劇場公演ではだいたい左綴じ(横書きの本形式)のプログラムが、
今回は右綴じ(縦書きの本形式)ですね。
買っていませんが、『るろうに剣心』のときもそうだった気がします。
文章も縦書きになっていて、こちらのほうが見やすく感じました。

真ん中にはスペシャルポートレートがついています。
ついていることを知らなかったので、
客席で広げたときに「なんか挟まってる?」と思ってしまいました。
みりおエドガーの一人写り、ゆきちゃんシーラの一人写りときて、
みりおエドガーとれいちゃんアランの濃厚なツーショットがあります。

ほかにも漫画版『ポーの一族』のイラストや、
原作者萩尾望都先生の寄稿もあって、とても豪華な一冊です。

小池先生の熱意

公式サイトの『ポーの一族』公演解説にはこんなふうに書かれています。

同作品をミュージカル化したいと夢見て宝塚歌劇団に入団した小池修一郎が、1985年に「いつか劇化させて欲しい」と申し出て以来30年余り、萩尾望都があらゆる上演希望を断り続けた幻の舞台が遂に実現する。

これを最初に見たときには「盛りすぎじゃない?」と思っていましたが、
プログラムを読んだら大筋に偽りはないことがわかりました。

プログラムによれば、『ポーの一族』の上演を心に抱いたのは、
宝塚歌劇団に入団してからという雰囲気になっていますが、
それほど大きくは違わないのでしょう。

萩尾先生と出会った日が1985年6月18日というのも明記されていました。
当時わたしは1歳8ヶ月です。
そんな赤ちゃんみたいな子どもが34歳の主婦になっているわけですから、
相当な年月が流れていることがわかります。

萩尾先生の寄稿によれば、小池先生から電話で
「『ポーの一族』と横書きにすると『ぽいちのいちぞく』と読まれるかもしれない」
と相談があったとのこと。

それに対する萩尾先生の「はあ、おまかせいたします」という返事が絶妙ですね。
今後些細な選択を迫られたときには「はあ、おまかせいたします」と言おうと思います。

萩尾先生の対談集

先日、萩尾望都先生の対談集「物語るあなた 絵描くわたし」を読みました。
1993年の氷室冴子先生との対談で宝塚の話題になって、
小池先生の名前が出てきて驚きました。
萩尾先生も氷室先生も宝塚ファンなのですね。

対談で話しているのは小池先生から電話がかかってきたという内容で、
『ポーの一族』の舞台化とは別件のエピソードです。
「小池先生は宝塚の中では若い演出家の方」と紹介されていて、
そんな時代もあったんだな~としみじみ思ってしまいました。

対談集の中でも『ポーの一族』のことは何度も出てきて、
この作品が少女マンガ界に与えた影響の大きさを感じました。

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