『ひかりふる路』という演目が発表されたときから、
「ロベスピエールが主役ってどんな感じだろう」
と思っていました。
これまでのイメージとは違ったロベスピエールでした。
わたしがイメージするロベスピエール
わたしがロベスピエールと聞いてイメージするのは、
2010年月組スカーレットピンパーネルの越乃リュウさんです。
あのリュウさん目当てで何度も観に行ったといえます。
映像でしか見ていないものの、
新人公演でとしちゃんが演じたロベスピエールも素晴らしかったですね。
月組版スカピンはロベスピエールがカッコよかった!という印象です。
次に思い出すのが『1789』でたまきちが演じたロベスピエール。
コマちゃんのダントン、カチャのデムーランと3人一組でしたが、
二幕最初の球戯場の場面は明らかにロベスピエールが主役でした。
久しぶりの観劇だったので、
「たまきちカッコよくなったなぁ!」と感動したものです。
だいもんロベスピエール
たまきちロベスピエールは1789年、リュウさんロベスピエールは1794年、
今回だいもんが演じたロベスピエールは1793年~1794年です。
というかいま調べて知ったのですが、
ロベスピエールは1794年7月28日に処刑されているんですね。
スカピンのロベスピエールがそんな死の直前とは思いませんでした。
1789ではまだ新進気鋭の革命家という感じですし、
スカピンは作品がコメディ風味ということもあってコミカルな描かれ方をしていて、
今回のだいもんロベスピエールはかなり新鮮な感じがしました。
革命のゴールが見えないつらさというのがすごく興味深かったです。
結果的にそれが破滅につながってしまうわけですが、
ロベスピエール自身も苦悩しているのが伝わってきて、
単なる悪者ではなかったのだと感じました。
だからといって憎めないというわけではありません。
ロベスピエールもつらかったね、どうしようもなかったね、
でもあれはやっちゃだめだよね、という感じです。
ロベスピエールの大きさ
リュウさんもたまきちも身体が大きいので、
「今回はダントンのほうが大きいのか~」
とちょっと不思議な感じがしました。
しかし結果的に、このことがプラスに働いていたと思います。
咲ちゃんの大きさが、革命におけるダントンの大きさにつながっているように感じたからです。
ダントンを倒したらもう破滅しかないんだろうなという流れが見えました。
だいもんと咲ちゃんが対峙するシーンが本当に素晴らしいです。
ややもすると地味なシーンですが、これが運命の分かれ道ということで、
結果が見えていても胸が苦しくなります。
その直後の展開には「早っ」と心の中でツッコミました。
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