宙組『神々の土地/クラシカルビジュー』観てきました。
お芝居を見終わった直後、面白かったとか感動したとかじゃなくて、
ただ「よかった……」と天を仰ぎたくなりました。
ロシアのひんやりとした空気の中に熱さを感じる作品です。
サヨナラ作品なのに?
サヨナラ作品は駄作が多いとよく言われますが、
『神々の土地』はとても良いほうだと思います。
ひとつひとつの場面がとても美しくて、心に残りました。
だからといってストーリーがつまらないことはなく、
わたしにも理解できるようなお話だったのがよかったです。
一方『クラシカルビジュー』がちょっといまいちかもしれません。
終盤までサヨナラ作品ということを忘れていて、
「え? これで退団するんだっけ?」と思ってしまいました。
通常のショーがサヨナラ仕様になっていると、
「それはサヨナラショーでやればいいのに」と思っていたのですが、
ここまでサヨナラ色が薄いと逆に心配になるんですね。
最後のほうはちょっとサヨナラっぽいかな、と思いましたが、
インパクトのあるシーンがなくて惜しいショーでした。
うららちゃんのこと
スカイステージのダイジェスト映像で観たときと同じように、
「うららちゃん娘役トップでいいじゃん…」と思いました。
この1作だけでも娘役トップにできなかったんでしょうかね。
いろんな事情があるかと思いますが、その点はモヤモヤします。
ただ、すごく賞賛したいのは、
うららちゃんがちゃんとヒロインだったことです。
わたしはどうしても月組トップ娘役の不在時期と比べてしまいます。
『ラストプレイ』はあいちゃんとしずくちゃんをヒロインにしないために、
なんともよくわからない宙ぶらりんの作品になってしまいました。
でも『神々の土地』は明らかにうららちゃんがヒロインですよね。
『夢の浮橋』におけるしずくちゃんのポジションに近いです。
まぁ様ドミトリーとうららイリナの距離感がすごくよくて、
最後の最後まできれいにまとめてくれました。
ロシアの風を感じる
ロシアにはもちろん行ったこともなく、関心もなかったのですが、
『神々の土地』を見るとロシアに思いを馳せてしまいます。
驚いたことに、松風輝さん演じるニコライ2世は大津事件の人なんですね。
大津事件の現場は自宅から近く、石碑が立っています。
これまで「ロシアの皇太子が襲われた」ということしか知らなかったのですが、
Wikipediaで大津事件や関連項目のページを熱心に読んでしまいました。
雪組『カラマーゾフの兄弟』もとても好きなので、
ロシアが舞台になっている作品をほかにもチェックしたくなりました。
お知らせ
わたしの小説家デビュー作『成瀬は天下を取りにいく』が新潮社から3/17に発売されます!滋賀県大津市が舞台の作品で、西武大津店やミシガンが登場します。
読んでいただけるとうれしいです。