月組『All for One』感想のつづきです。
今回の作品の肝となっているちゃぴの男役を見て、
ちゃぴはすっかり娘役になったのだなぁと思いました。
一方、コマちゃんのモンパンシェ公爵夫人は強そうでした。
千秋楽近くの観劇
2回目に観たのは千秋楽の3日前です。
おそらくリピーターが多かったことでしょう。
たとえばみやるりアラミスが髪をかき上げる一瞬前、
まわりの人がいっせいに待ち構えるような空気を感じました。
1回目に見たときも2回目に見たときも、
いい意味で変わっていませんでした。
コメディでありながらやりすぎることがなく、
あくまで真面目なところが月組らしくて好きです。
フィナーレが終わって幕が降りたとき、
この『All for One』を宝塚大劇場で上演するのは、
もうあとわずかなのだと思って寂しくなってしまいました。
ちゃぴのルイ14世
ルイ14世が女というのが作品のキーポイントですが、
これはもう配役発表の時点でわかっていたことでしょう。
ふたを開けてみると、ちゃぴが思ったより男役をしていたのが意外でした。
たとえば序盤のルイ14世は男役の声で出てきますからね。
声の切り替えはついつい間違ってしまいそうな気がしますが、
ちゃぴはしっかり切り替えることができていました。
でもやっぱりどこか「女性が男のふりをしている」感が出ています。
ちゃぴの娘役転向直後は男役っぽさが抜けなかったものですが、
いまとなってはすっかり娘役になったのだなぁと思いました。
それと同時に、ふと、「いつまでやるのかな?」とも思いました。
ちゃぴのことは好きだけどさすがに長いだろうと思っている派です。
どこで終わるのかがよくわかりません。
コマちゃんのモンパンシェ公爵夫人
逆に男役のコマちゃんがモンパンシェ公爵夫人で、
ちゃぴに思いを寄せる役となっています。
どっちが男役なのか女役なのか、頭が混乱してきます。
今回のコマちゃんの起用はよかったですね。
普通の娘役がやるには大きすぎる役だと思います。
フィリップゆりちゃんとの対決がカッコ良かったです。
たとえレイピアで心臓を刺されても死ななそうです。
最後みやるりアラミスに切り替えていくところも、
モンパンシェ公爵夫人らしいなぁと思いながら見ていました。
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読んでいただけるとうれしいです。