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moon『グランドホテル』を最初観たときは
「なんじゃこりゃ」で終わってしまったのですが、
2回目観たら面白くて、その後もじわじわ尾を引いています。
どの作品も舞台で観るのと映像で観るのとでは感覚が違いますが、
グランドホテルはその差が特に顕著だと思います。

劇場で観たときの驚き

稽古場映像や初日映像を見ていたときには特に違和感がなかったのですが、
劇場で観たら「セット変わらないの!?」と驚きました。
観客自身がグランドホテルという世界に閉じ込められたような感覚です。

同じセットの中でも舞台の場所は変わっているのですが、
枠が変わらないので、不思議な感覚を味わえます。

中でも舞台の後方中央にある回転扉がいいですね。
「ぶつからないかなー大丈夫かなー」と
ハラハラしながら見ていましたが、
みんな規律正しく回っていきます。
グランドホテルの象徴なのかもしれません。

ストーリーもあるようでないような作品です。
スカイステージで作品が語られているのを聞いても
どんな話だかさっぱりわからなかったのですが、
劇場で観たらたしかに説明のしようがないなと思いました。

役替わりフラムシェン

ラファエラは2回ともありちゃんバージョンでしたが、
フラムシェンはわかばちゃんとくらげちゃんを両方見られました。

わかばちゃんが見た目もキャラクターもフラムシェンにぴったりで、
くらげちゃんはどうなるんだろう?と思っていましたが、
こちらもかわいらしいフラムシェンに仕上がっていました。

ボストンがハリウッドの近くだというのは大胆なウソですね。
ハリウッドは西海岸、ボストンは東海岸ですからね。

わたしは桃鉄USAでアメリカの地理を学びました。
桃鉄USAをやっていなければフラムシェン同様騙されていたかもしれません。
ゲームというのも役に立ちますね。

ラストの全員集合が良い

『グランドホテル』のラストにはカーテンコール的な全員集合があります。
難しい顔をしていたキャラクターも、笑顔で登場するのがいいですね。
特にジゴロゆりちゃんの笑顔にやられました。

ラストはたまきち男爵とちゃぴグルーシンスカヤのワルツで幕が下ります。
柱にぶつかるのではないか心配になるほどの勢いです。
「人生は続く」というシーン名がぴったりの、印象的なラストでした。

お知らせ

わたしの小説家デビュー作『成瀬は天下を取りにいく』が新潮社から3/17に発売されます!
滋賀県大津市が舞台の作品で、西武大津店やミシガンが登場します。
読んでいただけるとうれしいです。